大規模修繕工事を実際に行う場合、発注方式というものが複数存在します。
まずは設計監理方式です。設計、工事監理、施工を別々に任せるというやり方です。
これにより、両者の間に立つ形となり、第三者の業者に工事の進捗を厳正にチェックしてもらうことができるだけでなく、競争原理が働きやすいため、工事費用を安くすることが可能になります。
注意したいのは、第三者の業者に依頼する分、それだけ割高になる可能性があり、マンションの規模が小さいとメリットの部分が小さく、むしろ割高になるデメリットの方が大きくなる可能性もあるため、規模によっては効果的になる場合、反対にデメリットが大きい場合に分かれてしまいます。
次に、責任施工方式です。責任施工方式はすべての工程を1つの業者にお任せするというやり方であり、中間マージンなどが発生しないため、費用が割安になるというのがメリットとしてあります。また、管理組合の負担も少なく、ある程度丸投げをしていたとしても実害がさほど発生しないというものもありますが、あくまでそれは信頼できる業者だった場合です。
今では自社で職人を抱えている業者も増えているので直接施工をすることで品質の向上にも繋がります。
しかし、安易に競争原理を働かせ、安価に発注できた場合、その業者が手を抜く可能性が考えられます。
結果として不十分なことになり、再び工事を余儀なくされる可能性もあります。また、何かしらの理由をつけて追加発注を要求されることもあり、本当にその値段で収まるかわからないということも考慮しなければなりません。
信頼できる業者であれば責任施工方式というやり方は有効ですが、そうでない場合には注意が必要です。
近年、CM方式という発注方式が増えてきています。コンストラクションマネジメント方式とも呼ばれ、すべての工程を切り分け、その工程ごとに見積もりを行い、コスト削減を図るやり方です。
その際、それを取り仕切るのがコンストラクションマネージャーであり、管理組合から委託を受けた人が担います。
CM方式はアメリカなどで主流となっており、大規模修繕工事のコストを劇的に下げることができることから、日本でも導入するところが増え、コンストラクションマネージャーを名乗る人も増えています。
ただ、すべての工程を切り分けていくため、仮にその工程で何かしらの問題が発生した場合、誰がその責任をとるのか、責任の所在をはっきりさせることが求められます。また、工事の進捗状況などを細かく管理組合が把握しなければならないため、負担になりやすいというデメリットがあります。
しかし、すべてにおいて見積もりを出すことにより、適正な価格で工事をしてもらえる可能性は高くなり、居住者にとっては最もメリットの高いやり方となります。
これらのやり方には一長一短あるため、マンションの規模や管理組合の状況などを鑑みて選ぶ必要があります。値段をとるか、付き合いをとるか、それとも透明性を確保するのかなどを話し合いの中で決めていくことになります。
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