※本記事は2026年1月15日に最新情報へ更新しています。

建物のメンテナンスを検討する際、多くのオーナー様が見落としがちなのが「天端(てんば)」と呼ばれる部位です。
屋上やベランダの立ち上がり壁の頂点にあるこの平らな部分は、実は建物の中で最も過酷な環境にさらされています。
廊下やバルコニーの天端など、既存の状態が「塗装仕上げ」になっている場合、改修工事でもそのまま「塗装の塗り直し」で済ませてしまうことがほとんどです。
しかしその判断が、数年後の雨漏りリスクを高める原因になるかもしれません。
なぜ天端は「塗装」ではなく「防水」でなければならないのか。
本記事では、建築構造の観点からその理由を深掘りし、長期的に建物を守るための最適解を徹底解説します。
【目次】
まず、「天端(てんば)」という部位について正確に理解しましょう。
天端とは、屋上パラペット(立ち上がり壁)やバルコニーの手すり壁の「最上部の平らな面」を指します。

外壁を「服」だとすれば、屋根は「帽子」や「傘」にあたります。
しかし、陸屋根(平らな屋上)を持つ鉄筋コンクリート造の建物における天端は、いわば「帽子をかぶっていない頭頂部」のような状態です。
雨水は重力に従って上から下へ落ちます。
垂直な外壁であれば水は流れ落ちますが、水平な天端では水が留まりやすく、建物内部へ浸透しようとする力が最も強く働きます。
この「水が留まる」という過酷な条件こそが、通常の塗装では太刀打ちできない最大の理由なのです。
「塗る」という行為は同じに見えますが、建築用語における「塗装」と「防水」は、その目的も性能も全く異なる別物です。
この違いを理解することが、失敗しない改修工事の第一歩です。
| 比較項目 | 一般的な塗装工事 | 防水工事(ウレタン等) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 美観の維持、表面の保護(撥水) | 水の侵入を完全に遮断する |
| 塗膜の厚み | ミクロン単位(非常に薄い) | 数ミリ単位(厚みがある) |
| 弾力性・伸縮性 | 硬い(ひび割れに追従できない) | ゴムのように伸び縮みする |
| 雨への耐性 | 流れる水には強いが、溜まる水に弱い | 溜まる水にも耐えられる設計 |

表や図解からわかる通り、塗装はあくまで「お化粧」や「薄い皮膜」であり、水溜まりができるような環境での使用は想定されていません。
一方、防水工事は「バケツを作る」ようなもので、水を貯めても漏れない性能を持っています。
新築時は塗装仕上げであることが多い天端ですが、改修時に同じように塗装をしてしまうと、わずか数年でボロボロになるケースが後を絶ちません。
それには、建物の構造的な理由があります。

▲ コンクリートの伸縮に「硬い塗装」はついていけず、破断してしまう
屋上の天端は、夏場は直射日光で60度以上の高温になり、冬の夜間は氷点下まで冷え込みます。
コンクリートはこの温度変化により、わずかに膨張と収縮を繰り返しています(挙動といいます)。
一般的な塗料は硬化すると硬くなるため、コンクリートが動いた際にその動きについていけず、パリッと割れてしまいます(ひび割れ・クラックの発生)。
そのひび割れから雨水が侵入し、塗装の内側に入り込むことで、塗膜が風船のように膨れたり、剥がれたりするのです。
完全に平らに見える天端でも、経年劣化によりわずかな窪みができます。
そこに雨水が溜まると、塗膜は常に水に浸かった状態になります。
一般的な外壁用塗料は「水が流れ落ちる」ことを前提にしているため、水没状態には耐えられません。
結果として加水分解を起こして塗膜が軟化し、保護機能が失われてしまいます。
では、天端の改修には何を選ぶべきか。
最も推奨されるのが「ウレタン塗膜防水」です。
なぜシート防水やFRP防水ではなく、ウレタン防水が選ばれるのでしょうか。
天端には、フェンスの支柱やアンテナの架台など、障害物が設置されていることが多々あります。
シート防水のような「貼る」工法では、こうした障害物の周りに継ぎ目ができ、そこが弱点となりがちです。
ウレタン防水は液状の材料を塗布して固める工法なので、どんなに複雑な形状であっても、継ぎ目のないシームレスな防水層を形成できます。
ウレタン防水層はゴムのような弾性を持っています。
先述したコンクリートの熱膨張や地震による揺れで下地に亀裂が入ったとしても、ウレタン防水層が伸びて追従するため、表面の防水層は破断しません。
これが「雨漏りを防ぐ」という観点で、硬い塗装との決定的な差となります。
防水工事以外の選択肢として、「笠木(かさぎ)」と呼ばれる金属のカバーを被せる方法もあります。
ここでは、ウレタン防水と笠木板金工事のどちらを選ぶべきかの判断基準をお伝えします。
どっちを選べばいい?
状況別・判断ガイド
多くの改修現場では、コストパフォーマンスと施工性のバランスから「ウレタン防水」が第一選択肢として採用されています。
目先の工事費だけを見れば、塗装工事の方が安価です。
しかし、建物の維持管理は「ライフサイクルコスト(生涯費用)」で考える必要があります。
15年間のトータルコスト比較イメージ
修理・再塗装の繰り返し
初期投資でガッチリ守る
※塗装は雨漏りリスクが高まるため、修繕費が予測不能に膨らむ可能性があります。
塗装で仕上げると、3〜4年程度でひび割れや剥がれが目立ち始めます。
放置すれば雨漏りに直結するため、5年ごとに再塗装や補修が必要になります。
さらに、雨水が侵入して内部の鉄筋が錆びてしまうと、爆裂(コンクリートの破裂)などの重大な欠陥に繋がり、数百万円規模の修繕費がかかるリスクも抱えます。
初期費用は塗装より高くなりますが、適切に施工すれば10年〜15年の耐久性が期待できます。
また、次回改修時も既存の防水層の上から重ね塗りができる(オーバーレイ工法)場合が多く、2回目以降のコストを抑えることも可能です。
「安心」と「手間」を含めたトータルコストでは、圧倒的に防水工事に軍配が上がります。
「防水工事」は、ただ塗料を塗るだけの作業ではありません。長持ちさせるためには、下地処理から仕上げまで、以下の厳密なプロセスが必要です。
最も重要な工程です。古い浮いた塗膜を削り落とし、表面を平滑にします。この作業を怠ると、新しい防水層がすぐに剥がれてしまいます。
コンクリートと防水材を強力に密着させるための専用プライマーを塗布します。
入隅(角の部分)や既存のひび割れ箇所にシーリング材を充填し、補修をおこないます。
防水材を流し込みます。一度で厚みを出そうとすると硬化不良を起こすため、必ず「1層目→乾燥→2層目」と分けて厚みを確保します。
最後に、紫外線から防水層を守るためのトップコートを塗って完成です。防水層自体は紫外線に弱いため、この保護膜が必須です。
DIYや知識の浅い業者の場合、STEP1や3を省略してしまうことが多く、これが早期剥離の最大の原因となります。
防水工事は「一度やれば終わり」ではありません。防水層(ウレタン)は紫外線に弱いため、表面に「トップコート」という保護塗料が塗られています。
しかし、この保護効果は5年〜7年程度で薄れてきます。

トップコートの塗り替えだけであれば、防水層そのものを工事する費用の5分の1〜3分の1程度で済みます。こまめなメンテナンスが、結果的に最も安上がりな方法なのです。
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