※本記事は2026年2月4日に最新情報へ更新しています。

大規模修繕工事を検討し始めたとき、多くの管理組合・マンションオーナー様がまず気になるのが「結局、いくらかかるのか?」「この見積は高いのか、妥当なのか?」という点ではないでしょうか。
インターネットで調べると、「1戸あたり〇〇万円」「〇〇戸で〇〇万円」などの情報は出てきますが、実際には同じ戸数でも数千万円単位で費用が変わるケースは珍しくありません。
その違いを理解しないまま判断してしまうと、「安さ重視で失敗した」「後から追加費用が発生した」といった後悔につながることもあります。
本記事では、大規模修繕工事の費用相場を単なる数字で終わらせず、なぜ金額に差が出るのか、どこを見て判断すべきなのかを、モデル見積・具体例・実務視点を交えて分かりやすく解説します。
なお本記事は、創業38年以上、大規模修繕工事を専門に手がけてきた施工会社の実務経験をもとに、現場で実際に起きやすい判断ミスや費用トラブルも踏まえて構成しています。
この記事はこんな方におすすめ
こうした方にとって、判断の軸がはっきりする内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
マンションの大規模修繕工事を検討し始めた管理組合・オーナー様の多くが、最初につまずくのが「結局、いくら掛かるのか分からない」という点です。
インターネットで調べると、「1戸あたり100万円」「総額3,000万円〜4,000万円」といった数字が並びますが、なぜその金額になるのか、そして自分たちのマンションはどの範囲に入るのかまでは、なかなか分かりません。
結論からお伝えすると、大規模修繕工事の費用相場は1戸あたり「おおよそ100万〜250万円」がひとつの目安になります。
ただし重要なのは、相場は“1つの数字”ではなく、明確な「幅(レンジ)」があるという点です。
この幅が生まれる理由を理解せずに見積金額だけを比較してしまうと、「安く見えたが内容が薄かった」「後から追加工事で高くなった」といった失敗につながりやすくなります。
本章では、まず公的データを根拠に費用相場の全体像を整理し、そのうえで「なぜ金額に幅が出るのか」を分かりやすく解説します。
大規模修繕工事の費用については、国の調査・指針でも一定の目安が示されています。
国土交通省が公表しているマンション管理に関するQ&Aでは、大規模修繕工事の工事費は、1戸あたり100万〜250万円程度が一つの目安とされています。
これは、特定の工事内容を断定した数字ではなく、全国の実態調査や過去の事例を踏まえた「標準的なレンジ」です。
つまり、100万円/戸で収まるケースもあれば200万円を超えるケースもあり条件によっては250万円近くになることもあるという前提で捉える必要があります。
同じ「30戸のマンション」でも、総額が3,000万円台で収まるケースもあれば、5,000万円、6,000万円規模になるケースも珍しくありません。
この差が生まれる最大の理由は、工事の中身と建物条件が一律ではないからです。
大規模修繕工事の費用は、主に次のような要素の組み合わせで決まります。
これらの条件が重なるほど、「同じ戸数でも費用が大きく変わる」のが大規模修繕工事の特徴です。
費用相場の記事でよくある失敗が、平均値だけを見て判断してしまうことです。
たとえば、「平均で1戸あたり120万円と書いてあったから、うちもそれくらいだろう」と考えてしまうケースです。
しかし平均値は、劣化が軽いマンション標準的な工事範囲のマンション劣化が進んだマンションこれらをすべて含めた結果の数字です。
そのため、下地補修が多い屋上防水を全面改修するバルコニー床が広いといった条件があるマンションでは、平均より高くなるのはむしろ自然です。
逆に、劣化が軽微工事項目を整理できている足場効率が良いといった条件が揃えば、平均より抑えられるケースもあります。
この時点で、まず押さえておいていただきたいポイントは次の3点です。
次の章では、この相場感をさらに具体化するために、戸数から30秒で概算できる「ざっくり試算方法」を紹介し、読者の方が「自分たちの場合はいくらぐらいか」を即座にイメージできるようにしていきます。

大規模修繕工事の費用を考えるとき、最初から細かい内訳や工法を理解する必要はありません。
まずは、「戸数 × 公的に示されている相場レンジ」で、ざっくりした総額イメージを持つことが重要です。
国土交通省が示す大規模修繕工事の目安では、1戸あたり100万〜250万円程度がひとつの基準とされています。
この数字を使えば、どのマンションでも30秒で概算が可能です。
計算はとてもシンプルです。
たとえば、よくある規模で当てはめると次のようになります。
30戸マンションの場合
| ゾーン | 概算金額 |
|---|---|
| 低め | 30戸 × 100万円 = 約3,000万円 |
| 中心帯 | 30戸 × 125万円 = 約3,750万円 |
| 高め | 30戸 × 150万円 = 約4,500万円 |
| 上振れ | 30戸 × 250万円 = 約7,500万円 |
50戸マンションの場合
| ゾーン | 概算金額 |
|---|---|
| 低め | 約5,000万円 |
| 中心帯 | 約6,250万円 |
| 高め | 約7,500万円 |
| 上振れ | 約1億2,500万円 |
80戸マンションの場合
| ゾーン | 概算金額 |
|---|---|
| 低め | 約8,000万円 |
| 中心帯 | 約1億円 |
| 高め | 約1億2,000万円 |
| 上振れ | 約2億円 |
ここで重要なのは、「この中のどれが正解か」ではなく、「どのゾーンに入りそうか」を考えることです。
実際の大規模修繕工事では、すべてのマンションが250万円/戸近くまで跳ね上がるわけではありません。
国の実態調査を見ても、100万〜150万円/戸あたりに集中するケースが多いのが現実です。
つまり、築15年前後1回目の大規模修繕外壁・屋上・バルコニー・鉄部・シーリングが標準範囲このような条件であれば、「中心帯(100〜150万円/戸)」に入る可能性が高いと考えてよいでしょう。
一方で、次のような条件が重なると、150万円/戸を超え、200万円以上になるケースも珍しくありません。
この場合、「相場より高い=ぼったくり」ではなく、工事内容が相場レンジの上側に寄っていると理解することが大切です。
ここで注意したいのが、最初から“一番安い数字”を前提に話を進めてしまうことです。
たとえば、「30戸だから3,000万円くらいでできるはず」と決め打ちしてしまうと、必要な下地補修が削られる防水仕様が最低限になる後から追加工事が発生するといった形で、結果的に高くつくケースが多く見られます。
大規模修繕工事では、“安く見せる見積”より“現実的なレンジ”を理解しているかが、失敗を避ける分かれ道になります。
この段階で、読者の方が持っておくべき感覚は次の3点です。
次の章では、この概算をさらに一歩進めて、「なぜ同じ戸数でも金額が変わるのか」=費用を左右する具体的な条件を、チェック形式で分かりやすく解説していきます。
前章では、「戸数 × 100万〜250万円」 という考え方で、大規模修繕工事の概算イメージをつかみました。
ただし実際の検討段階では、「低め・中心帯・高め」のどのゾーンに入りそうかを、もう一段具体的に把握しておくことが重要です。
そこでこの章では、よくある規模ごとに “現実的な費用レンジ”を早見表的に整理し、読者が自分のマンションを当てはめて考えられるようにします。
30戸前後は、分譲・賃貸ともに非常に多い規模です。
費用の振れ幅も比較的分かりやすく、相場感を掴む基準になります。
| 低めゾーン (約3,000万円前後) |
築10〜12年程度 下地補修が少ない 外壁塗装+屋上防水が中心 バルコニー床・共用部が比較的コンパクト |
|---|---|
| 中心帯 (約3,500万〜4,000万円前後) |
築15年前後(1回目の大規模修繕) 外壁・屋上・バルコニー・鉄部・シーリングを標準的に実施 下地補修は点在レベル |
| 高めゾーン (4,500万円以上) |
築20年近く、劣化が進行 下地補修量が多い 屋上防水の全面改修 バルコニー床面積が広い |
👉 同じ30戸でも「1,000万円以上の差」が出るのが現実です。
50戸規模になると、「金額が大きい=高すぎるのでは?」と感じやすくなりますが、実際は内容次第で妥当性が大きく変わります。
| 低めゾーン (約5,000万円前後) |
劣化が軽微 工事項目を優先順位付けして整理 足場効率が良い建物形状 |
|---|---|
| 中心帯 (約6,000万〜6,500万円前後) |
標準的な1回目の大規模修繕 外壁+屋上+バルコニー+共用部を一通り実施 仕様が適正に整理されている |
| 高めゾーン (7,500万円以上) |
下地補修が広範囲 防水範囲が多い(屋上+ルーフバルコニー等) 近隣配慮や施工制限が多い |
👉 この規模では、「高い・安い」より「中身を見ないと判断できない」という認識が不可欠です。
80戸を超えると、大規模修繕工事は完全に「プロジェクト」レベルになります。
| 低めゾーン (約8,000万〜9,000万円) |
劣化が軽く、工事項目を絞って実施 足場効率・作業効率が良い 設計・仕様が明確で無駄が少ない |
|---|---|
| 中心帯 (約1億円前後) |
標準的な修繕範囲 外壁・屋上・バルコニー・鉄部・共用部を一式 管理・安全・近隣配慮を含めた適正施工 |
| 高めゾーン (1億2,000万円以上) |
2回目以降の修繕 下地劣化・防水全面更新 設備更新や特殊条件が絡む |
👉 この規模では、1000万円単位での差が“普通”に発生します。
ここまでの金額は、あくまで 公的な相場レンジ(100万〜250万円/戸) を前提に、現実的な工事内容を当てはめた目安です。
実際には、下地補修量防水工法の選択足場の組み方工事範囲の優先順位といった“中身”次第で、早見表のどこに着地するかが決まります。
そのため、「この表より高いからダメ」「この表より安いから良い」と単純に判断するのは危険です。
この章で押さえておくべきポイントは次の通りです。
次の章では、「なぜ高くなるのか/なぜ抑えられるのか」を、読者自身がチェックできる形で整理していきます。
大規模修繕工事の相談で非常に多いのが、「同じ戸数なのに、A社は4,000万円、B社は5,500万円だった」「この金額差は、どちらかがおかしいのでは?」という疑問です。
結論から言うと、金額差そのものが問題なのではなく、その差が「どこから生まれているか」を理解していないことが問題です。
大規模修繕工事の費用は、偶然決まるものではありません。
必ず “費用が動くスイッチ” が存在し、そのスイッチがいくつ入っているかで、低めゾーン・中心帯・高めゾーンのどこに着地するかが決まります。

外壁やコンクリートの劣化補修(ひび割れ、欠損、爆裂など)は、大規模修繕工事の中でも 最も費用がブレやすい項目 です。
ここで重要なのは、下地補修は「見た目」では正確に判断できないという点です。
目視調査だけで「問題なさそう」と判断してしまうと、工事中に想定以上の劣化が見つかり、追加工事として後から費用が膨らむケースが多発します。
防水工事も、費用を左右する大きな要因です。
さらに、防水の工法・仕様によっても金額は変わります。
「同じ防水工事」と書かれていても、耐用年数・施工工程・保証内容がまったく違うことも珍しくありません。
防水範囲と仕様が明確になっていない見積は、金額比較をしてはいけない見積だと考えてください。

足場は「どのマンションでも同じ」と思われがちですが、実際は違います。
こうした条件が重なると、足場の組み方が複雑になり、仮設費用が増加します。
足場は全体工事費の中でも大きな割合を占めるため、ここが重くなると総額も一気に上振れします。
大規模修繕工事と一口に言っても、どこまでを「今回やる工事」とするかはマンションごとに異なります。
工事範囲が広がれば、その分費用が増えるのは当然です。
重要なのは、「A社は高い、B社は安い」ではなく、「工事範囲が同じか」を揃えて比較しているかという視点です。
都市部や住宅密集地のマンションでは、近隣への配慮が工事費に影響するケースが少なくありません。
これらは見積書に大きく書かれないこともありますが、現場管理・仮設・手間として確実にコストに反映されます。
ここまでのチェック項目を見ていただくと分かる通り、費用が高くなるのには必ず理由があります。
これらが揃っているにも関わらず、相場の下限に近い見積が出てきた場合の方が、むしろ注意が必要です。
削られやすいのは、下地補修防水仕様管理・安全・近隣配慮といった、完成後には見えにくいが、長期的に重要な部分です。
この章で押さえておきたいポイントは次の通りです。
次の章では、この考え方をさらに一歩進めて、「見積書の内訳をどう見れば妥当性が判断できるのか」を、具体的な内訳項目と比率の考え方を使って解説していきます。

大規模修繕工事の相見積もりで、最も多い失敗が「総額だけを見て安い・高いを判断してしまうこと」です。
例えば、A社:4,200万円B社:3,800万円この数字だけを見ると、B社の方が魅力的に見えます。
しかし実際には、A社は下地補修・防水仕様・管理体制まで含めた内容B社は一部工事項目が簡略化、または「一式」表記で中身が不明というケースは非常に多く、金額差=工事品質や耐久性の差につながることも珍しくありません。
だからこそ、大規模修繕工事では「いくらか」ではなく「何にいくら掛かっているか」を見る必要があります。
見積書の内訳は会社ごとに表現が異なりますが、大きく分けると、以下のような工種で構成されています。
重要なのは、これらがすべて適切に計上され、内容が明確になっているかです。
相見積もりでは、各項目の金額を細かく暗記する必要はありません。
代わりに有効なのが、「全体に対して、どの項目がどれくらいの割合を占めているか」という視点です。
一般的な目安としては、以下の通りです。
| 工事項目 | 全体に占める割合(目安) |
|---|---|
| 仮設工事(足場など) | 全体の 15〜25%前後 |
| 下地補修+外壁関連 | 30〜40%前後 |
| 防水工事 | 15〜30%前後 |
| その他(鉄部・共用部・諸経費など) | 残り |
このバランスが極端に崩れている場合、どこかが削られている、または逆に過剰になっている可能性があります。
相見積もりで最も注意すべきなのが、「一式」表記が多い見積書です。
⚠️ 下地補修 一式
⚠️ 防水工事 一式
⚠️ 塗装工事 一式
このような見積では、補修量はどれくらい想定しているのかどの工法・仕様なのか追加が出た場合の扱いはどうなるのかが分かりません。
結果として、工事中に追加費用が発生しやすく、最終金額が膨らむリスクがあります。
見積を比べたときに、「他社より明らかに安い項目」がある場合は要注意です。
特に注意したいのが、下地補修工事防水工事これらは、完成後には見えにくく、削っても分かりづらいため、価格調整の対象になりやすい項目です。
しかし、下地補修が不足 → 数年で再劣化防水仕様が最低限 → 雨漏り・保証トラブルといった形で、後から大きな問題になるケースが非常に多いのも事実です。
適正な見積書には、共通した特徴があります。
このような見積書は、金額が多少高く見えても、結果的にトータルコストが安くなるケースが多いです。
この章で押さえておくべきポイントは次の通りです。
次の章では、これまでの考え方を踏まえたうえで、「同じ30戸でもここまで変わる」3つのモデル見積を紹介し、より具体的に費用の違いをイメージできるようにしていきます。
これまで解説してきた通り、大規模修繕工事の費用は 戸数だけでは決まりません。
そこでこの章では、30戸前後のマンションを例に、実際によくある条件を3つのモデルに分けて整理します。
「安い・高い」の感覚論ではなく、どんな条件なら、どの金額帯になるのかを具体的にイメージできるようにすることが目的です。
総額:約3,000万〜3,500万円
戸あたり:約100万〜115万円
ポイント
このモデルは、「早めに修繕を検討し、劣化が進む前に対応できたケース」です。
工事内容を絞れるため金額は抑えられますが、診断を省略して“軽め前提”で進めるのは危険です。
見た目以上に劣化が進んでいる場合、工事中に追加が発生しやすくなります。
総額:約3,800万〜4,500万円
戸あたり:約125万〜150万円
ポイント
多くのマンションが、この標準モデルに該当します。
見積金額がこのゾーンに入っている場合、「高いか安いか」ではなく「内容が標準を満たしているか」を確認することが重要です。
総額:約5,000万〜6,000万円以上
戸あたり:約170万〜200万円超
ポイント
このモデルでは、「安く抑える」より「再劣化を防ぐ」ことが最優先になります。
ここで無理に金額を下げると、数年後に再修繕や雨漏り対応が必要になり、結果的にトータルコストが高くなるケースが非常に多いです。
3つのモデルを並べると、費用差の理由がはっきり見えてきます。
つまり、金額の差は「業者の都合」ではなく「建物の状態と工事内容」から生まれているのです。
この章で考えていただきたいのは、「どのモデルが正しいか」ではありません。
これらを整理することで、見積金額に対する“納得感”が大きく変わります。
次の章では、ここまでの内容を踏まえたうえで、「見積書で絶対に見落としてはいけない判断ポイント」を解説し、失敗しやすいパターンを具体的に整理していきます。
大規模修繕工事で後悔している管理組合・オーナー様の多くが、工事後にこう口を揃えて言います。
「もう少し、見積の中身を見ておけばよかった」
金額が数千万円単位になる工事では、どうしても「安い方がいい」「少しでも抑えたい」と考えてしまいます。
しかし大規模修繕には、削ると“必ず後で問題になる項目”が存在します。
この章では、見積書を見るときに 絶対に軽視してはいけないポイント を整理します。
下地補修は、外壁塗装や防水工事の土台となる工事です。
これらが不十分な状態で上から塗装・防水をしても、数年で再劣化が起きる可能性が非常に高いです。
要注意なのは、「下地補修 一式」「必要に応じて対応」といった曖昧な表記です。
この場合、どこまで補修する想定なのかが不明確なため、工事中に「想定外」として追加費用が発生しやすくなります。
防水工事は、建物の寿命を左右する重要な工事です。
しかし見積書では、工法名が書かれていない厚み・工程が不明保証条件が曖昧といったケースも少なくありません。
同じ「屋上防水」でも、耐用年数メンテナンス性将来の再修繕コストが大きく変わります。
安い防水=得ではなく、将来まで含めて適正かどうかを見る視点が必要です。
見積書の中で、つい軽く見られがちなのが 現場管理費・諸経費 です。
「ここを削れば安くなるのでは?」と思われがちですが、実際には、管理が手薄になる工程管理が甘くなる近隣対応が後手に回る安全管理が形だけになるといったリスクが高まります。
特に居住者が住みながら行う大規模修繕では、管理体制の差が“工事中のトラブル量”に直結します。
仮設工事や養生は、完成後には残らないため軽視されがちですが、居住者の安全近隣への配慮工事のスムーズさに直結する重要項目です。
ここを削ると、クレームが増える工期が延びる結果的にコストが上がるといった “見えない損失” が発生します。
極端に安い見積が出てきた場合、多くは次の順番で削られています。
完成直後は見た目がきれいでも、数年後に不具合が出やすい構造になってしまいます。
適正な見積書には、次のような特徴があります。
これらが揃っていれば、金額が多少高く見えても、結果的に安心できる工事になります。
この章のポイントを整理します。
次の章では、ここまでの考え方を踏まえて、「費用を抑えつつ失敗しないための具体策」を整理し、コストを“下げる”のではなく “最適化する”方法 を解説していきます。
大規模修繕工事で費用を抑えようとした結果、下地補修を削った防水仕様を落とした管理体制を簡略化したこうした判断をすると、ほぼ確実に後悔します。
一方で、工事の考え方や進め方を整理するだけで、総額が下がるケースも数多くあります。
この章では、品質を落とさずに費用を抑えるための「現実的な最適化ポイント」を解説します。
費用が膨らむ最大の原因は、「本当は今やらなくていい工事」まで一緒に入れてしまうことです。
これらを、建物診断をもとに整理するだけで数百万円単位の差が出ることがあります。
重要なのは、「削る」のではなく 「今やる必要があるかどうか」を根拠で判断することです。
相見積もりで失敗しやすいのが、業者ごとに仕様がバラバラな状態で金額比較をしてしまうことです。
この状態では、安い・高いの判断ができません。
事前に、工事範囲仕様(グレード)補修の考え方をある程度揃えておくことで、“内容が同じで金額だけが違う見積”になり、無駄に高い提案を排除しやすくなります。
「今回は外壁だけ」「防水は次回に回す」という分割工事は、一見コストを抑えられそうに見えます。
しかし実際には、足場を2回組む工事管理が2回発生する共通仮設が重複するといった理由で、トータルでは高くなるケースも多いです。
分割が有効なのは、劣化状況に明確な差がある足場不要な範囲がある将来計画と整合が取れているといった条件が揃った場合のみです。
大規模修繕工事には、いくつかの発注方式があります。
どれが正解というわけではありませんが、方式によってコストのかかり方が違うことは理解しておく必要があります。
管理を重視するかコストを重視するか手間をどこまでかけられるかこの整理をせずに方式を選ぶと、「思ったより費用がかかった」という結果になりやすくなります。
最終的に費用を抑えられるかどうかは、初期段階での判断に大きく左右されます。
これらは、短期的には魅力的でも、中長期的にはコスト増につながる可能性が高いです。
この章のポイントを整理します。
次の章では、ここまでの内容を踏まえて、長期修繕計画・修繕積立金とどう向き合うべきかを整理し、「資金面の不安」を解消していきます。
大規模修繕工事の検討が進むと、ほぼ必ず次の壁にぶつかります。
「相場は分かったが、うちの積立金で足りるのか?」
ここで重要なのは、工事費の多寡そのものより、“長期修繕計画と資金計画が噛み合っているか”です。
大規模修繕は単発の工事ではなく、長期修繕計画という“全体設計”の一部として考える必要があります。
長期修繕計画というと、「積立金の説明資料」「形式的な書類」と思われがちですが、実務的には 見積内容を適正化するための重要資料 でもあります。
計画が整理されていないと、今回やるべき工事が曖昧になる業者ごとに工事範囲がバラつく見積金額の差が大きくなる結果として、比較も判断もできない状態に陥りやすくなります。
国土交通省は、マンションの長期修繕計画について、一定期間(30年程度)を見据えて修繕項目・周期・概算費用を整理し修繕積立金との整合を図るという考え方を示しています。
重要なのは、「今回の大規模修繕にいくら掛けるか」ではなく、「次回・その次まで含めて無理のない計画か」という視点です。
見積を取った結果、「積立金が足りない」と分かるケースは珍しくありません。
このときに取り得る選択肢は、大きく分けて次の4つです。
ここで大切なのは、「無理に削る」ではなく「どう組み替えるか」です。
最も避けたいのが、「積立金の残高ありき」で工事内容を削ってしまう判断です。
下地補修を減らす
防水仕様を落とす
管理・安全を簡略化する
これらは一時的には支出を抑えられても、数年後に再修繕や不具合対応が発生し、結果的に高くつくという結果になりがちです。
資金計画は、「できない理由」を探すためのものではありません。
今回どこまでやるのが妥当か
次回に回しても問題ない部分はどこか
将来の負担をどう平準化するか
こうした判断を、感覚ではなく“計画として”整理するための材料です。
長期修繕計画と照らし合わせることで、「この金額なら納得できる」「ここは将来に回せる」といった合意形成もしやすくなります。
この章のポイントを整理します。
次の章では、**実際の施工事例(またはモデルケース)を使い、「なぜこの金額になったのか」**を具体的に解説していきます。
ここまでで、相場レンジ戸数別目安費用が変わる条件見積の見方最適化の考え方を整理してきました。
しかし、読者が本当に知りたいのは、「実際の現場では、なぜこの金額になったのか」というリアルな判断理由です。
そこでこの章では、30〜80戸規模のマンションを想定したモデル事例(実務ベース)を用いて、「同規模でも費用が変わった理由」を具体的に解説します。
※以下は、特定の建物名を伏せた 匿名・モデルケース ですが、実際の現場判断に基づく内容です。
総額:約3,900万円
戸あたり:約130万円
👉 「相場の中心帯」に最も多い、典型的なケースです。
総額:約7,800万円
戸あたり:約156万円
👉 「戸数が多い=単価が下がる」とは限らない典型例です。
総額:約1億1,000万円
戸あたり:約135万円
👉 規模が大きくても、考え方次第で“中心帯”に近づけられる好例です。
これらの事例を並べると、費用を左右しているのは 戸数そのものではない ことが分かります。
つまり、「いくら掛かったか」より「なぜその金額になったか」が、判断の軸になります。
この章で伝えたいポイントは次の通りです。
次の章では、ここまでの内容を踏まえ、管理組合・オーナー様からよく寄せられる質問(Q&A)を整理し、検索ニーズをさらに取りこぼさない構成にしていきます。
大規模修繕工事の費用は、相場だけで判断するものではなく、「なぜその金額になるのか」を理解することが重要です。
相場は1戸あたり100万〜250万円が目安ですが、実際の金額は 劣化状況・工事範囲・仕様・管理体制 によって大きく変わります。
この3点を押さえることが不可欠です。
まずは建物診断を行い、自分たちのマンションに必要な工事内容を整理したうえで、条件を揃えた相見積もりを取ることが、後悔しない大規模修繕工事への近道です。
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