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2020年 02月 05日

外壁タイルのクリヤー塗装は防水ではない!雨漏りを防ぐ正しいメンテナンス手順

※本記事は2026年1月14日に最新情報へ更新しています。

外壁タイルのクリヤー塗装は防水ではない!雨漏りを防ぐ正しいメンテナンス手順

「外壁タイルはメンテナンスフリーだと聞いていたのに、雨漏りが心配だ」。

 

「塗装業者からクリヤー塗装を勧められたが、本当にそれで雨漏りは止まるのだろうか」。

 

大切な建物を守るオーナー様であれば、このような不安を抱かれるのは当然のことです。

 

結論から申し上げますと、一般的なクリヤー塗装を行っただけでは、外壁タイルの防水対策にはなりません。

 

それどころか、雨漏りの原因を放置したまま表面だけを塗装することで、かえって建物の寿命を縮めてしまうケースさえ存在します。

 

本記事では、多くの人が誤解している「クリヤー塗装」と「防水工事」の決定的な違いについて、分かりやすい図解とともに建物の構造レベルから徹底解説します。

 

無駄な工事費を払うことなく、確実に雨漏りを止めるための「正しい選択基準」を身につけてください。

 

【本記事の内容】

  • 1. 結論|クリヤー塗装と防水工事は「目的」が全く異なります
  • 2. 図解で納得|なぜ「塗装」では止まらない?雨漏りメカニズム
  • 3. 雨漏りを確実に防ぐために必要な「3つの本質的対策」
  • 4. 失敗しない業者選びとチェックポイント
  • 5. よくある質問(FAQ)

 

 

1. 結論|クリヤー塗装と防水工事は「目的」が全く異なります

 

外壁タイルのリフォームにおいて最も多い誤解が、「塗装をすれば水が入らなくなる」という認識です。

 

まずは、クリヤー塗装の本来の役割と、なぜそれが防水につながらないのかを明確にします。

 

 

クリヤー塗装の本来の役割は「保護」と「美観」

 

クリヤー塗装とは、無色透明な塗料をタイルの表面に塗布する工事のことです。

 

この工事の主な目的は、以下の3点に集約されます。

 

  • ✅美観の維持・向上: タイル独自の風合いやツヤを蘇らせる。
  • ✅汚れの防止: 表面をコーティングし、排気ガスや埃の付着を防ぐ。
  • ✅劣化の遅延: 紫外線や酸性雨からタイル表面や目地表面を守る。

 

つまり、これはあくまで「お化粧」や「薄い保護膜」であり、水の侵入を完全に遮断する「防水層」を作る工事ではありません。

 

 

「水を弾く」=「防水」ではない理由

 

施工直後のクリヤー塗装は、水を玉のように弾く「撥水(はっすい)性」を示します。

 

これを見て「防水できた」と錯覚してしまう方が多いのですが、ここには大きな落とし穴があります。以下の図解をご覧ください。

 

図解:撥水(水を弾く)と防水(水を遮断する)の違い

図解:「水を弾く」ことと「防水する」ことは根本的に異なります

 

図の左側のように、一般的なクリヤー塗膜の厚さはわずか数十ミクロン(髪の毛ほどの薄さ)しかありません。

 

建物の揺れや熱膨張によって下地に微細なひび割れが生じた際、この薄く硬い塗膜は追従できずに一緒に割れてしまいます。その割れ目から雨水は容易に侵入するため、長期的な雨漏り対策としては機能しないのです。

 

比較項目 一般的なクリヤー塗装
(撥水)
本来の防水工事
(防水)
主な目的 美観維持、汚れ防止 雨水の侵入遮断
膜のイメージ 極めて薄いラップ 厚みのあるゴムマット
ひび割れへの追従 ほとんどしない
(一緒に割れる)
伸縮して追従する
(水を止める)
雨漏りへの効果 × 期待できない ◎ 解決策となる

 

 

2. 図解で納得|なぜ「塗装」では止まらない?雨漏りメカニズム

 

外壁タイルの雨漏りを止めるには、まず「どこから水が入っているのか」という敵を知る必要があります。

 

一見、頑丈そうに見えるタイル壁ですが、実は水が入り込む隙間が無数に存在しています。そのメカニズムを断面図で見てみましょう。

 

図解:外壁タイルからの雨水侵入メカニズム(断面図)

図解:表面を塗っても、目地のひび割れから水は侵入します

 

 

雨水の侵入ルート1:目地(めじ)のひび割れ

 

タイルそのものは焼き物であり、水をほとんど通しません。

 

しかし、図解にあるように、タイルとタイルの間にある「目地(モルタル部分)」は別です。

 

目地は吸水性があり、経年劣化や地震の揺れによって容易にひび割れ(クラック)が発生します。

 

このひび割れにクリヤー塗料を塗ったとしても、ひびの奥深くまで塗料が充填されるわけではないため、水の通り道は塞がりません。

 

 

雨水の侵入ルート2:シーリング材の破断

 

建物の窓枠周りや、一定間隔で設けられた「伸縮目地」には、ゴム状のシーリング材が充填されています。

 

シーリング材の寿命は一般的に10年前後です。

 

劣化して硬くなり、隙間が空いてしまったシーリングの上から薄い塗装をしても、ゴムの弾力が戻るわけではありません。

 

すぐにまた隙間が開き、そこから雨水が建物内部へ侵入します。

 

この記事の重要ポイント

最大の盲点は「見えない部分」の劣化

最も重要な事実は、「タイルの表面ではなく、その奥にある防水層や目地が寿命を迎えている」というケースが多いことです。下地の防水機能が失われている状態で、表面にクリヤー塗装を塗っても、内部に浸透した水は止まることなく室内へと漏れ出します。つまり、表面だけの処理では根本解決にならないのです。

 

 

3. 雨漏りを確実に防ぐために必要な「3つの本質的対策」

 

では、外壁タイルの雨漏りを防ぐためには、具体的にどのような工事が必要なのでしょうか。

 

クリヤー塗装を行う前に、必ず実施すべき正しい防水改修のフローを、以下の図解で確認しましょう。

 

図解:雨漏りを確実に防ぐための正しい防水改修フロー(3ステップ)

図解:塗装の前に「下地」と「目地」を直すことが絶対条件です

 

 

対策1(Step1):タイルの浮き・ひび割れ補修(下地注入)

 

タイルが下地から浮いている場合、その空洞に水が溜まります。

 

「エポキシ樹脂」などを注入してタイルと下地を再接着させる工事(注入工事)や、ひび割れたタイルそのものを張り替える工事が必要です。

 

これは見た目を直すだけでなく、水の通り道を物理的に塞ぐ重要な土台作りの工程です。

 

 

対策2(Step2):シーリングの完全な打ち替え

 

窓回りや伸縮目地のシーリングは、「増し打ち(上から足す)」ではなく、「打ち替え(古いのを撤去して新しくする)」が鉄則です。

 

劣化したゴムを完全に取り除き、新しい高耐久のシーリング材を充填することで、雨水の最大の侵入経路を遮断します。

 

 

対策3(Step3):透明な「防水材」の使用(仕上げ)

 

Step1とStep2が完了して初めて、仕上げの塗装を行います。

 

もし、タイルの風合いを残したまま防水性能をさらに高めたい場合は、一般的なクリヤー塗料ではなく、「透明防水材(防水クリヤー)」を検討してください。

 

これは図解1の右側で示したように、厚みのある強靭な透明膜を形成し、ひび割れにも追従する特殊な材料です。

 

  • ✅セブンS(セブンケミカル): 外壁タイル専用の透明防水材として実績が高い。

 

見積書に単に「クリヤー塗装」とあるのか、「タイル落下防止・防水クリヤー」とあるのかで、その性能は雲泥の差があります。

▶外壁タイル防水のセブンSとは?効果・メリット・費用をわかりやすく解説

 

4. 失敗しない業者選びとチェックポイント

 

外壁タイルのメンテナンスで失敗しないためには、提案内容を正しく見極める必要があります。

 

見積もりや現地調査の際に、以下のポイントを必ず確認してください。

 

 

チェック1:打診調査を行っているか

 

目視だけで見積もりを出す業者は危険です。

 

プロであれば「打診棒(パールハンマー)」を使ってタイルを叩き、音の違いで浮きや剥離がないかを確認します。

 

見えない内部の劣化状況を把握せずに、表面の塗装だけを提案してくる業者は避けましょう。

 

▶図解でわかる外壁タイルの「打診調査」浮き・落下を防ぐための基礎知識

 

 

チェック2:「防水」の定義が明確か

 

担当者に質問してください。「この工事を行えば、目地のひび割れからの浸水も止まりますか?」。

 

もし「塗装が膜になるので大丈夫です」と安易に答える場合は要注意です。

 

「シーリングの打ち替えと下地補修を行った上で、仕上げとして塗装します」と回答できる業者が、本当に建物のことを考えている業者です。

 

 

5. よくある質問(FAQ)

 

Q
雨漏りしている状態でクリヤー塗装をしても意味はありませんか?

A.

ほとんど意味がありません。むしろ危険です。
雨漏りの入口を塞がずに表面を塗装すると、内部に入った水の逃げ場がなくなり、湿気がこもって建物の構造(木部や鉄骨)を腐食させる原因になります。まずは雨漏り箇所の特定と修繕が最優先です。
Q
タイルの目地が白くなっているのは異常ですか?

A.

「白華現象(エフロレッセンス)」の可能性が高いです。
これは、コンクリート内部の成分が雨水に溶け出し、表面で白く固まる現象です。つまり、「水が内部に入り込んでいる」という明確なサインです。早急な点検をおすすめします。
Q
タイル外壁のメンテナンス周期の目安は?

A.

築10年目が最初の目安です。
タイル自体は丈夫ですが、シーリングや目地の防水機能が低下し始めるのが10年目前後だからです。早めに対処すれば、大掛かりな張り替え工事を防ぐことができ、トータルコストを抑えられます。

 

「安心できる建物」への再生は、パートナー選びから

 

タイル外壁のメンテナンスは、単に「塗って終わり」ではありません。見えない目地のひび割れや、タイルの浮きを正確に見抜く「診断力」が問われます。

 

「安さ」や「表面的な美しさ」だけで選ぶのではなく、建物の構造を守るための「防水・安全対策」を提案できる会社を選んでください。

 

それが今後10年の資産価値を守ります。

 

次の一歩:まずは「無料診断」で外壁の現状を知る

「見た目はきれいだから大丈夫」。そう思っている間に、内側で雨水が侵入しているかもしれません。手遅れになる前に、プロの診断を受けましょう。

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