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2025年 10月 22日

ALC・鉄骨造の『散水調査』【雨漏り実務マニュアル】

 

ALC・鉄骨造の『散水調査』実務マニュアル

 

 

本手順は、鉄骨造+ALC板+タイル貼り等の「表面から侵入口が見えにくい」建物で、実際の雨漏り経路(『入口=侵入箇所』と『出口=漏水箇所』)を特定するための現場実務です。

 

【散水調査】は「人工的に水をかけて、どのエリアから漏れてくるかを確認する」能動的な調査手法で、単独ではなく『目視・散水・サーモグラフィ・湿度/温度計・内視鏡(必要時)』などを組合せることで精度が飛躍的に上がります。

 

事前準備(非常に重要)

 

1. 【既存情報の収集】

 

竣工図面(外壁納まり、ALC割付、鉄骨位置、開口部位置)を用意。

 

過去の改修履歴、雨漏り履歴、発生時刻・天候データがあれば取得。

 

2. 【現地事前確認】

 

漏水の発生箇所(地下・天井・床・壁)を写真記録。

 

室内の重要設備(電気、精密機器、書類)を保護。必要なら養生・移動。

 

点検口、床下収納、配管ルートなどの開口を確認。

 

3. 【安全対策】

 

高所作業・仮設足場・ブランコの準備、感電リスクの対応(コンセントの他線切断等)。

 

散水による滑りや電気機器濡れの危険を回避するための周到な養生。

 

4. 【ゾーニング(エリア分割)】

 

外壁を『ゾーン番号(例:Eゾーン1〜8)』、バルコニー・サッシ・基礎廻りを細かく分割。

 

各ゾーンは「散水時にどの内部位置に反応が出るか」を明確にするために、図面上に塗り分けする。

 

5. 【機材・人員の配置】

 

機材:ホース・ノズル(散水用)、流量計、ストップウォッチ、サーモグラフ(赤外線カメラ)、接触温度計/熱電対、湿度計、内視鏡(必要時)、デジタルカ

メラ、記録シート、養生材。

 

人員:散水担当(外部)、観察担当(内部)、サーモグラフ担当、記録係、監督者(安全管理)。

 

機材詳細(必須ポイント)

 

「散水源」:屋上水栓またはポンプを用意。散水量の調整ができること。

 

「流量計」:散水量を記録するために必須。散水強度が再現性の鍵です。

 

「ノズル」:広域散水用と集束(シャワー)用を用意。細部の侵入箇所確認に使い分け。

 

「サーモグラフ」:解像度・温度分解能が高いものを推奨(動的変化を見るため動画撮影可能な機種が望ましい)。

 

「湿度計/木材水分計(ハンドヘルド)」:現場で熱画像の裏取りを行うため。

 

「内視鏡」:ALCの目地裏や空洞を確認する際に使う。

 

「記録用フォーマット」:ゾーン、開始時刻、終了時刻、流量、内部反応(写真名付き)を必ず記載するシート。

 

散水調査 — 詳細手順(実務フロー)

 

以下は現場での標準フローです。各段階で『サーモグラフィ』を併用するポイントを併記します。

 

ステップ0:現場ブリーフィング(5〜10分)

 

役割分担、緊急連絡手段、停止合図(「ストップ!」)の共有。

 

記録フォルダ(写真フォルダ)や図面へのマーキング方法共有。

 

ステップ1:ベースライン計測(事前計測)

 

内部・外部の温度・湿度を計測、サーモグラフで全体スキャンして「現状の熱分布(ベースライン)」を撮影・保存。

 

なぜ重要か:その後の「温度変化」が湿潤や蒸発を示す指標になるため。

 

サーモポイント:日射の影響を避けるため『できれば日陰・朝夕に撮影』が望ましい(ただし実務では時間配分上難しい場合もあり、その場合は日射の影響をメモ)。

 

ステップ2:小区画散水(初期包囲) — 「狭域テスト」

 

最初は『最も怪しい箇所』または『漏水が出やすいサッシ廻り』等、狭いゾーンから開始。

 

散水時間目安:まずは5〜10分。

 

その間、内部の観察担当は目視・触診・写真撮影。サーモグラフ担当は連続撮影(動画がベスト)。

 

観察ポイント:内部の滴下、濡れ染み、しみ出し、天井裏の湿り、トップライト縁。

 

判定:散水中に「即時に漏水が出る」→『直接経路(近接侵入)』が強く疑われる。ここで散水を止め、詳細確認。

 

ステップ3:エリア拡張散水(段階的に広げる)

 

「狭域で反応なし」なら、隣接ゾーンへ広げる。

 

各ゾーンで【同じ手順(5〜15分)】を繰り返す。

 

途中で『反応時間』を必ず計測。『散水開始から漏水までの時間』は、経路の直通性(短いほど直接)や内部移動(長いほど空洞伝播や毛細作用)を示す重要データ。

 

ステップ4:集中的散水(確証取り)

 

可能性のあるゾーンで再度集中的に散水(ノズルを集束、局所高圧で数分間)して、明確に漏水を誘発するか確認。

 

※ 注意:集中的散水は仕上げ材(タイル接着や外壁など)に影響を与える場合があるため、最終ステップで行う。事前にお客様に了承を取る。

 

ステップ5:内部縦断観察と内視鏡確認

 

漏水が確認されたら、可能であれば天井裏や壁内から『内視鏡』で経路を確認。

 

サーモで湿った領域が確認できた場合、湿潤範囲に沿って小さな開口(点検口)を設ける判断を現場で行う。

 

ステップ6:停止後の追跡(ドライダウン観察)

 

散水を止めた後も『湿潤が残るか・乾燥するか』を観察。サーモグラフで『乾燥過程の温度変化』を撮影すると、水の滞留箇所を特定しやすい。

 

乾燥が遅い箇所=滞水・充填された空洞が疑われます。

 

【サーモグラフィ併用の具体的運用と留意点】

 

サーモグラフィは「目に見えない温度差」を可視化し、散水調査と組み合わせることで、短時間で広範囲の湿潤兆候を捕捉できます。ただし『運用方法』と『解釈の注意点』を理解して使う必要があります。

 

サーモ使用のタイミング

 

1. 【事前スキャン(ベースライン)】:現状の温度ムラを把握。

 

2. 【散水中の連続撮影】:湿った箇所は蒸発により表面温度が低下することが多く、散水を開始するとその部分が“冷たく見える”ことがある。

 

3. 【散水停止後の追跡】:濡れている部分は乾燥の進み方が遅く、時間経過での温度変化が周辺と異なるので、滞留箇所を特定しやすい。

 

解釈上の注意点(重要)

 

【日射・風・周辺温度】の影響で『偽陽性(濡れていないのに温度差が出る)』が発生します。特にタイルや金属面は反射が強く、誤認が生じやすい。

 

『タイル直貼り』や金属部は『放射率(エミッシビティ)が低く』、そのままの設定で測ると正確な温度にならない。必ず『接触式温度計で数カ所実測』して較正(比較)すること。

 

サーモで見つかった冷点を『必ず接触計や湿度計で裏取り』すること。熱画像だけで確定しない。

 

最適な撮影条件:『曇りの日、朝夕、風速が低い時』が望ましい。直射日光下では誤差が増える。

 

実践的な小ワザ

 

タイルの放射率が不明な場合、黒いテープ(放射率が既知のもの)を対象に貼り、その上と周辺の温度差を比較して補正する方法が有効。

 

散水量を少し増やして「蒸発冷却」を促すと、サーモ上の差がクリアに出る場合がある(ただし建材に負担をかけない範囲で実施)。

 

判定ルール(現場での意思決定を明確化)

 

『散水開始後すぐ(1〜5分以内)に内部で滴下が出る』

 

→ 直接侵入経路が濃厚(サッシ廻り、開口部、貫通部等)。

 

『散水して時間差(10分〜数時間)で内部に滲出が出る』

 

→ 内部空洞や目地伝達、下地のクラック経路の可能性(水が内部で移動している)。

 

『サーモで広域に冷えが出るが内部からの水滴が観察できない』

 

→ 表面吸水・毛細管伝達または下地吸水が疑われる。接触計での裏取りを推奨。

 

『複数ゾーンで小規模な反応が出る』

 

→ 侵入箇所が複数、または外部での広域浸透(タイル下地全体の劣化)を疑う。

 

追加で用いると良い測定・試験(根拠強化)

 

『トレーサー(色素)試験』:排水経路を追うための色素を使用する場合があるが、建物素材やテナントの同意を要するので慎重に運用。

 

『煙・スモークテスト』:空洞内の気流を可視化する用途で併用することがある(ただし安全性・換気に配慮)。

 

『圧力差測定』:外気圧と内部空間の圧力差で風を伴う浸入経路を把握する場合に有効。

 

報告書に必ず含める項目(お客様に分かりやすく)

 

1. 調査日時・参加者一覧。

 

2. 図面上のゾーン分けと散水順序(図示)。もしくはお客様のお立会にて

 

3. 各ゾーンの散水条件(流量、ノズル、時間)と観察結果(写真・動画の参照)。

 

4. サーモ画像(ベースライン、散水中、散水後の比較)と解説。

 

5. 結論(推定侵入箇所とその根拠)と優先度付きの補修提案(暫定対処と根治工法)。

 

6. 見積り(もし補修対応を提案するなら)と工事スケジュールの目安。

 

※ 写真やサーモ画像は「図番号+撮影位置」を必ず付与して、誰が見ても理解できるようにすること。

 

実務上の注意点

 

『散水調査は問題の再現を目的としますが、すべてのケースで100%の原因特定を保証するものではありません』。

 

しかし弊社は【サーモグラフィ・内視鏡・図面照合】を併用し、再発を防ぐ「根治的提案」まで一貫して行います。

 

『散水調査により見つかった箇所は、原因に応じた適切な補修(シーリング打替え、タイル改修、ウレタン防水、止水注入など)を段階的に提案します』。

 

養生や二次被害(電気設備濡れ等)を最小限にするため、必ず事前の了承と保護処置を行います。

 

サーモグラフィ併用で『幸成』が得意とする理由

 

弊社は『散水調査の経験』に加え、サーモグラフィを使った湿潤検出のノウハウを長年蓄積しており、下記が強みです:

 

現場の条件(タイル、ALC、金属)ごとの放射率補正と接触温度での裏取りを常時実施。

 

図面解析に基づくゾーニングで、散水順序と観察ポイントを理論的に決定。

 

必要に応じて内視鏡確認や点検口設置、工事提案までワンストップで対応。

 

『ただ水をかけて調べる』だけで終わらせず、得られたデータから『再発しない根治的補修計画』を作成するところが、私たち幸成の誇りです。

 

よくある現場の『落とし穴』と対策(実務アドバイス)

 

「直射日光下でのサーモ撮影」→ 誤認の元。→ 対策:撮影時間を調整、もしくは日陰養生。

 

「流量を均一にしない散水」→ 再現性の低い結果。→ 対策:流量計で記録し、同条件で再確認。

 

「内部配線・機器の養生漏れ」→ 二次被害リスク。→ 対策:必ず事前に内装養生、保管物の移動も実施。

 

最後に

 

散水調査とサーモグラフィの併用は、鉄骨造+ALC+タイル貼りのような「表面で原因が見えづらい建物」において、【最も有効で実務的な原因特定手段】です。

 

ただし、適切なゾーニング、撮影条件の管理、接触計での裏取りといった「丁寧な運用」が成功の鍵になります。

 

もし、今迄の施工実績や日々の活動ブログなどの類似の案件での調査をご希望でしたら、弊社は現地調査からサーモ撮影、散水調査、詳細報告書と補修提案まで一貫して対応可能です。

 

お気軽にご相談くださいませ。スタッフ一同、丁寧に対応いたします。

 

西東京だけでなく、三鷹市や武蔵野市、東久留米市や練馬区などでも施工実績は豊富になります。

 

弊社は塗装工事業者ではなく、雨漏り目線を最前に持ち、防水工事業者としての塗装業者になります。

 

よって、塗装工事を単なる塗替え(ぬりかえ)と捉えずに、防水業者による塗装工事と認識し、防水目線での塗装工事を常に念頭に置いて現場を施工実施しております。

 

表面だけで見える美観の塗装工事では無く、内面の隠れた「下地補修」にも重きを置き、防水工事専門とういう技術を用いた上での塗装工事の収まりを意識した

 

ひと段階上の塗装工事を常に意識してお客様にご提供させて頂いております。

 

工事は施工した瞬間は綺麗だし、不具合は起こりにくいです。

 

工事は3-5年後に施工が良い施工だったのか表面に少しずつ出てきて、実際に問題が出るのは5‐7年後が多いです。

 

創業後10年にも満たない会社が10年保証を出せるのは施工した瞬間だからですので、お客様においてはその辺りも考慮や検討材料として施工会社のご判断を頂け

れば幸いです。

 

満足の出来るご希望の工事を実施出来るように少しでもこのブログが知識の補助になれば幸いです。

 

近隣のお客様で雨漏りや防水、塗装や大規模修繕工事でお困りのお客様がいらっしゃいましたら、是非、弊社に一度ご相談を承れれば幸いです。

どうぞ、宜しくお願い致します。

 

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1987年6月設立:創業38年の歴史

株式会社 幸成【西東京:外壁塗装・防水工事・大規模修繕工事】専門店

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