【タイル薬品洗浄 + シラン系吸水防止材 をセットで行う相乗効果】
【タイル薬品洗浄】
「まずは簡単に」
タイル薬品洗浄とは、専用の薬剤でタイル表面や目地に付着した汚れ、黒ずみ、カビ、エフロレッセンス(白い粉)を化学的に分解・除去する作業です。
高圧洗浄だけでは落ちない汚れを「薬の力」でキレイにします。
結果、建物の見た目が新しくなり、仕上げ塗料や吸水防止材の効きも良くなります。
タイルに対する洗浄工事で、高圧洗浄とタイル薬品洗浄工事をそれぞれ簡単にご説明しますと、
高圧洗浄工事はエンジン式(ガソリン式)高圧洗浄機を使用して高圧にて洗浄する荒清掃であります。
タイル薬品洗浄はタイルに対してタイル洗浄の薬品を沁み込ませたブラシやモップなどでタイルに対してダイレクトに直接磨きをかけて丁寧に清掃するクリーニングになります。
もっと簡単に言えば、掃除機と材料付けて磨く雑巾がけって感じです。
『プロ向け — 詳しい解説とメリット』
1. 【下地の素地回復】
薬品洗浄は単に汚れを落とすだけでなく、タイル表面や目地の汚染物(油分、旧塗膜の微粒子、黒カビの根、塩類)を化学的に除去することで、下地素地の状態を回復します。
これにより後工程(シール、塗装、吸水防止材浸透など)の「密着性」や「浸透効果」が確実に向上します。
2. 【エフロ・塩害の対処】
タイルや下地に含まれる塩類は毛管現象で内部から表面へ塩分を運び、表面を劣化させます。
薬品洗浄はこれら塩類を溶解除去し、再発リスクを低減します。
結果として『仕上げの長持ち』に直結します。
3. 【見た目と資産価値】
タイルの黒ずみや藻・カビが取れると外観が大幅に改善され、管理組合やオーナーにとって資産価値向上の材料になります。
4. 【後工程のコスト削減】
汚れを放置して上から高コストの被覆材で覆っても、「下地からの問題(塩分・疎水不良)」が残れば早期剥離を招きます。
薬品洗浄で下地を整えることで、保証期間内の手戻りや再施工リスクを下げ、長期的にはコスト削減になります。
5. 【施工技術的ポイント(プロの注意点)】
☆ 薬剤選定:酸性系(エフロ除去)、アルカリ系(油汚れや有機物)、酸化型(頑固な有機汚染)など用途で使い分ける。
☆ 濃度・浸漬時間:適切な濃度・放置時間で汚染のみを分解除去し、基材を傷めないことが重要。
☆ 中和と十分な水洗い:薬剤残留があると後工程へ悪影響(吸水防止材の浸透阻害や中和反応)を与えるため、完全な中和処理と洗浄が必須。
☆ 安全対策:薬剤は強力なため、PPE(保護具)、周辺養生、排水処理、近隣への周知が必要。
☆ 試験施工(パッチテスト):タイル種(磁器質、釉薬有無し、天然石)で反応が異なるため必ずテスト施工を行う。
【シラン系吸水防止材(しみこませるタイプ)】
「まずは簡単に」
シラン系の吸水防止材は、塗るとタイルやコンクリートの中に入り込み、内部の毛細管を『水が通りにくくする』ことで水をはじくようにする処理剤です。
おおまかに例えて言うと「防水スプレー」を建物全体にしみこませるイメージです。
ただし表面フィルムではなく、素材の内部で化学的に働きます。
簡単に身近な品物で例えるなら:
★ 普通の防水スプレー → 表面に「膜」を張る(洋服の撥水)
★ シラン系吸水防止材 → 生地(タイルやコンクリート)の「繊維の隙間」を化学的に処理して水を入りにくくする(中まで効く撥水)
『プロ向け — 詳しい解説とメリット』
1. 【作用機序(化学的仕組み)】
シラン(有機アルコキシシランなど)は水や空気中で加水分解→縮合して基材のシラノール(Si–OH)と反応し、基材内部のケイ素結合に半永久的に結合します。
結果として内部被覆(分子レベルの疎水層)を形成します。
これにより毛管水の浸透を抑え、接触角が上がり(撥水性向上)、「浸透性防水」として働きます。
2. 【施工効果のメリット】
★ 『透湿性を維持』:表面に膜を作らないため、素材が呼吸(湿気透過)を維持できます。
これは躯体内部の結露抑制や建物呼吸にとって重要。
★ 『目に見えないが長持ち』:適切に浸透すれば薬剤は内部で化学結合を形成するため、紫外線や abrasion(摩耗)に強く、長期間効果を維持しやすい。
★ 『塩害・凍害の緩和』:吸水が減ることで塩分の移動や凍結膨張による劣化を抑制し、素材の寿命を延ばします。
★ 『美観維持』:水による汚染(黒ずみや藻の発生)を抑え、清掃頻度を減らせるため維持管理が楽になります。
3. 【適用性と注意点】
☆ 吸水率の高い素材(素焼きタイル、未施釉のタイル、コンクリート)は効果が高く、磁器タイルや釉薬タイルなど吸水率が低い素材では効果が限定的。
事前に吸水率試験を行う。
☆ 塗布前に「汚れ・塩分」を薬品洗浄でしっかり除去しておかないと、浸透を阻害し効果が出ない。
ここでタイル薬品洗浄とセットで行う利点が生まれます。
☆ 施工条件(基材含水率、温度、薬液濃度、希釈剤の種類)で浸透深さや効果が変わるため、施工要領に従うこと。
☆ 表面の艶出しや色付けが基本的にない(透明)ため「見た目を変えたくない」箇所に適している。
4. 【専門用語(プロ説明)】
★ 「接触角(contact angle)」:液滴が表面で作る角度。角度が大きいほど撥水性が高い。
シラン系は接触角を向上させる。
★ 「毛管係数(capillary absorption coefficient)」:毛管現象での水吸収速度を示す指標。
処理後は係数が低下する。
★ 「加水分解→縮合→ケイ素結合」:シランが基材と結合する一連の化学反応(現場では「架橋反応」とも説明)。
★ 「透湿性(vapor permeability)」:水蒸気を通す性能。
シランは透湿性を阻害しないため躯体の健全性を保つ。
★ 「溶媒系 / 水性系 / シラン系 / シロキサン系」:製品群の分類。
シランは小分子で深く浸透、シロキサンはやや高分子で表層より。
選定は用途で決定。
【タイル薬品洗浄 + シラン系吸水防止材 をセットで行う相乗効果】
「簡単に」
薬品洗浄で「汚れ・塩分」を落とし、乾燥後にシラン系をしっかり浸透させることで、効果が高まり長持ちします。
見栄え・耐久性・維持費の低減という三拍子が揃います。
『詳しく』
★ 【下地無汚染→浸透確保】:薬品洗浄で有機汚染や塩分を除去しないと、シランが毛管の奥まで入り込めません。
セット施工で化学的に効く状態を作るのが重要です。
★ 【予防と保全】:洗浄で既存問題を取り除き、シランで再発を予防することで、修繕周期が伸びて投資対効果が上がります。
★ 【施工フロー(概略)】:洗浄 → 中和・水洗 → 乾燥確認 → 吸水率確認 → シラン塗布(浸透) → 仕上げ確認。
【一般の方向けのわかりやすい比喩】
☆ タイル薬品洗浄は『頑固な汚れを落とすプロのクリーニング』です。
家庭の重曹掃除やブラシだけでは落ちない蓄積した汚れを専用薬で落とします。
☆ シラン系吸水防止材は『建物に吹きかける高性能の「防水スプレー」』のようなもの。
ただし家庭用スプレーのように表面に膜を作るのではなく、タイルやコンクリートに「内部から効く」プロ用の処理剤です。
外から見た感じはほとんど変わりませんが、水が染み込みにくくなります。
【導入施工を検討するポイント】
1. 【長期コスト削減】:「初期投資で長持ち」
表面の美容処置だけではなく、下地から整えることで再施工頻度を減らせます。
2. 【清掃・維持が楽に】:「黒ずみ・藻が付きにくい」
→ 管理清掃費削減・共用部イメージアップ。
3. 【美観向上に及び事前雨漏り対策として入居者満足に向けたオーナーマンション様/所有マンションを維持される管理組合様へ】:「科学的に裏付けられた処理で安心」
→ 施行報告で施工写真+数値(吸水率低下など)を出せます。
4. 【低侵襲・透湿性維持】:「呼吸する建物を壊さない」
→ 内部結露リスクを増やさないので、長期的に安全。
5. 【環境・安全配慮】:薬剤の選定と排水処理を適切に行えば、周辺環境や居住者への負担を最小化できます。
【施工時のチェックポイントとよくある質問(Q&A形式)】
Q. 「既存のタイルでも必ず効果は出ますか?」
A. 素材によって差があります。まずは試験施工で吸水率・目視確認をすることをお勧めします。
磁器質タイルは吸水が少ないため効果が限定的です。
Q. 「表面の見た目は変わりますか?」
A. 基本的には変わりません(透明)。
ただし油性汚れが除去されると色合いが“明るく”見えることがあります。
Q. 「どのくらい長く効きますか?」
A. 基材や環境によりますが、適切施工で数年〜10年以上持つ場合もあります。
(定期点検で再塗布のタイミングを判断)。
Q. 「薬品は危なくないですか?」
A. 強力な薬剤もあるため、専門業者が適切に希釈・中和・水洗処理を行い、排水管理と保護具の使用を徹底します。
安全管理は施工会社の腕に依存しますので、ベンダー選びが重要です。
最後に
【タイル薬品洗浄】と【シラン系吸水防止材の全面塗布】は、単独でも価値がありますが、「洗浄→中和→乾燥→浸透処理」というセット施工によって、本来の
効果を最大化できます。
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更に撥水材と、吸水防止材との違いは別のブログにて投稿させて頂きます。
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